なすのあくは体に悪い?それともあく抜き不要?実際のトコロは

料理

なすを調理する際、あく抜きをしているという人が大半のようです。

私も母に教えられ、当然のようにやっていました。

でも、忙しい時、あく抜きのひと手間が面倒なんだよな~と思っていたら、

「なすはあく抜きなど不要」という情報を耳にしました。

 

んん?なすは本当にあく抜きをしなくてもいいの?

 

なすを水にさらさないで食べると味や栄養はどう?

なすのあく抜き方法として1番使われるのが、「水にさらす」というものです。

この方法は、「カットしたなすを、水の入ったボウルの中に漬けておく」という簡単な方法です。

 

では、なすを水にさらさないで食べると、味や栄養はどう変わってしまうのでしょうか。

 

なすを水にさらさないと、まず、えぐみのある味になってしまいます。

そのため、おいしく調理しても、せっかくの味付けがえぐみに消されてしまうのです。

このえぐみの正体は、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」です。

なすをカットすると、その切り口が空気に触れるようになりますよね。

それによってクロロゲンが酸化し、えぐみを出してしまうのです。

また、クロロゲンが酸化すると、えぐみだけでなく、なすの変色にも繋がります。

 

ちなみに、なすを水にさらさないで食べても、栄養は変わりません。

逆に、なすを水に長時間さらし過ぎると、栄養価が低くなってしまいます。

なすには、ナスニン・カリウムといった栄養素が豊富に含まれています。

これらの栄養素は、水に溶けやすいという特徴を持っています。

そのため、なすを水に長時間さらすと、これらの栄養素が溶け出て行ってしまうのです。

このような状態にならないためにも、なすを水にさらすのは、10分程度にしておきましょう。

それ以上行ってしまうと、せっかくのなすが台無しになってしまいますよ!

  

なすのあくは体に悪い?

では、なすのあく抜きをしないと、何か体に悪い影響が出るのでしょうか。

 

実はなすのあくは、体には全く悪いものではありません。

 

なすのあくは、体に良いクロロゲン酸が酸化しただけのものなので、何も心配いりません。

クロロゲン酸は、体の老化やがん・動脈硬化などを予防する効果が高いと言われています。

そのため、体に悪いどころか、大いに健康の役に立ってくれるのです。

しかも、クロロゲン酸は、酸化しても、有害物質に変わることはありません。

なので、あく抜きを忘れてしまっても、不安に思わなくてOKですよ!

 

では、なぜ多くの人は、「なすは必ずあく抜きをするべき」と考えるのでしょうか。

 

それは、味と見た目が落ちることを心配してのことでしょう。

あく抜きをしないと、えぐみが出たり、黒ずんで見えたりします。

これだと、せっかくの料理をおいしくいただけなくなってしまいます。

なので、なすのあく抜きは、「料理の見た目と味を少しでも良く」という気持ちから生まれた知恵なのですね。

  

なすの味噌汁が黒くなるのはそのままでいい?

さて、なすの味噌汁を作った場合、きちんとあく抜きをしても、黒くなってしまうことがあります。

この場合、「捨ててしまった方が良いのでは?」と考える人もいるようです。

 

ところが、この黒い部分は、なすから出てきたポリフェノールです。

ポリフェノールは、美容と健康にとても高い効果を発揮してくれる栄養素です。

なので、「見た目が悪いから」と言って、捨ててしまうのはもったいないですよ!

ちょっと気持ち悪いかもしれませんが、体のためと思って、そのまま飲んでくださいね。

  

まとめ

なすのあくの正体は、ポリフェノールの1つ・クロロゲン酸が酸化したものです。

これによってえぐみのある味になったり、なすが変色したりします。

なすの味噌汁の場合は、味噌汁全体が黒くなります。

でも、体に有害なものではなく、むしろ美容と健康に良い成分です。

なので、そのまま食べてしまっても、全く問題ありません。

あくを抜く場合は、カットしたなすを10分くらい水にさらせばOKです。

但し、水に長時間さらし過ぎると、貴重な栄養分が溶けてしまうので気をつけましょう。

 

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